GHPエアコンからEHPエアコンへ。入れ替え工事に関して詳しく知ろう!
現在、多くの住宅や施設で使用されていることが多いGHPエアコンですが、省エネ性に優れたEHPエアコンへの入れ替えが徐々に推奨されるケースが増えてきていることをご存知だったでしょうか?このEHPエアコン。GHPエアコンに比べて、ランニングコストやメンテナンスの面も、非常に優れている部分が多く見られます。そこで今回は、GHPとEHPのそれぞれのメリットやデメリットだけではなく、GHPエアコンからの入れ替え工事に関しても詳しくご紹介させていただきます。ご自身でご使用なされている業務用エアコンがGHPエアコンの方は、是非一度ご参考にしてみてくださいね。
そもそもGHPエアコンって?EHPとの違いは?
空調機には大きく分けて、ガスを使用したガスエンジン駆動式のエアコンであるGHP(ガスヒートポンプ)と、圧縮機の駆動源に電気を使用した電動機駆除式のエアコンであるEHP(電気モーターヒートポンプ)と呼ばれるものがあります。このGHPというのは、名前の通りガス・ヒート・ポンプの頭文字から取って呼ばれている名称で、ガスエンジンから使用したヒートポンプサイクルにより冷暖房を行うシステムとなっています。使用されているガスは、主に都市ガスやLPガスなどの「13A」と呼ばれるタイプのガスを燃料として使用されていることが多く、また、このヒートポンプサイクルといわれるものは、室内外の空気から暖熱と放熱を繰り返すことを示します。GHPはヒートポンプサイクル形式に使用する、エンジンの月消費量等のエネルギー量より多くの熱をくみ上げてはくみ下げが出来るため、高効率な暖房が可能となっています。つまり簡潔にまとめると、GHPとEHPの違いは、この冷媒を圧縮するためのコンプレッサーを駆動する機械がガスエンジンによるものなのか、それとも、電気モーターによるものなのかの違いということなのです。
見た目の特徴は?
GHPエアコンの見た目でも分かりやすい特徴としては大きく3つ挙げられ、そのまず一つ目が、室外機が大きめということ。これは内部にガスエンジンを搭載しているため、EHPのエアコンよりも大きく設計されているということが理由として挙げられます。二つ目の特徴としては、ガスホースがあるということ。これもやはり、ガスをエネルギー源としているため、通常の配線や配管の他に、ガス管やそれに付随する配管が接続されています。最後である三つ目の特徴が、ラベルに記載されているということ。GHPのエアコンは室外機のラベル自体に「~ガス」という記載がされていることが多いです。以上、どれかの特徴に当てはまれば、お使いのエアコンはGHPタイプの可能性が非常に高いと言えるでしょう。
GHPとEHPのそれぞれのメリットとデメリットについて
GHPとEHPのそれぞれのメリットとデメリットについて比較としてまとめましたので、まずは一度下記表に目を通してみてください。
と、このようにデメリットは存在しますが、やはりEHPの方がデメリットも少なく、冒頭でお話した通り、ランニングコストやメンテナンスの面がGHPに比べ非常に優れているということが言えるでしょう。
GHPからEHPへと入れ替えが推奨される理由は?
上記のようなメリットとデメリットを踏まえた上で、GHPからEHPへの入れ替えが推奨される理由として、大きく分けて3つのものが挙げられます。それぞれ見ていきましょう。
GHPからGHPへの交換が非常に難しい
こちらは主に家庭用のエアコンをご使用なさっている方に言えることですが、現在メーカーで取り扱われているGHPは業務用タイプがほとんどのため、特に家庭用タイプのGHPへの修理や入れ替えが困難になってきています。また、この業務用タイプのGHPは、ガス会社からのパイプラインか大きなガスボンベであるガスバルクを設置するなど大掛かりな工事が必要となってきてしまうため、EHPに比べ非常に導入コストが高いです。更に、EHPのエアコンなら工事にかかる着工も時間も断然スピーディーでこの点もオススメポイントとして挙げられると言えるでしょう。
省電力機種が多い
近年のEHPエアコンは、各メーカーの企業努力もあり、省エネ化が非常に進んでいます。機器の利用の仕方によっては「省エネタイプのEHPの電気代」が「GHPの電気代とガス代」より安くなる場合も十分にあり得るのです。また、GHPではどうしてもかかってきてしまう点検と保守費用が、EHPでは全くかからないというのも大きなメリットと言えるでしょう。
メンテナンスに費用と手間がかかってしまう
前述している通り、GHPのエアコンは年に一度程度の定期メンテナンスだけでも数万円程してしまう上に、オイルフィルターやエンジンオイルの交換など、点検費用や手間費などもかかってきてしまいます。また、これらを怠ってしまうと最悪の場合故障してしまうケースも多く、メリットもたくさんある反面、このようにメンテナンスを怠った場合のリスクもEHPより大きいのがGHPエアコンです。この部分を考慮しランニングコストを比較すると、こちらもまた「省エネタイプのEHPの電気代」が「GHPの電気代とガス代」より安くなる場合があると言えるでしょう。
EHPに変更する際に抑えておきたいポイントは?
最後に、スムーズにGHPからEHPに変更するための、重要なポイントについていくつかご紹介させていただきます。大事な部分となりますので、参考と共に抑えておくようにしましょう。
利用目的
EHPエアコンへ入れ替えを検討する際には、まず何より目的や使用環境に最適な機能を備えたモデルを選ぶことが重要だと言えます。例えば、店舗やオフィスなどでは、多くの照明や電子機器が発する熱を効率的に管理出来るモデルを選ぶ必要が考えられ、飲食店の厨房のように油や水が多く使われる場所での使用を想定する場合は、冷暖房効率の高さのみならず、メンテナンスのしやすさや機器の耐久性も考慮することが必要です。
形状
業務用エアコンは、室内機を外部に露出するタイプと天井に埋め込むタイプとがあるため、それぞれ利用する場所のデザインや間取り、実用性を考えて決めていくようにしましょう。簡潔にそれぞれの特徴をご説明させていただくと、露出型はメンテナンスと設置が容易で、天井に穴を開けられないような場所でも利用出来るのが魅力。一方、天井に埋め込むタイプは、設置後の視覚的な影響が少なく、スペースを有効活用出来るため、スタイリッシュなオフィスや店舗に最適だと言えます。
設置場所の広さ
設置場所の広さに適したモデルを選ぶことも、EHPエアコンに入れ替える際にあたっての大事なポイントと言えます。空間に広さに合わない馬力の業務用エアコンを選択すると、空調効果が不十分となり、効率の悪化へと繋がります。空間よりも大きすぎるモデルでは電力の無駄遣いや不均一な温度分布の問題が発生してしまい、逆に小さすぎるモデルでは空間が十分に冷暖房されない要因になってしまうため、注意が必要です。導入するEHPエアコンのサイズは、天井の高さと空間の面積から考慮して選ぶことが大切だと言えます。
まとめ
今回は以前当コラム内でも紹介したこともあるGHPとEHPの違いについてだけではなく、メリットやデメリット、更にはその入れ替え工事においての抑えておきたいポイントなどについて詳しくご紹介させて頂きました。現代のEHPエアコンはエネルギー消費の削減に成功しており、GHPエアコンのような必要な維持費もかからず、何よりコストパフォーマンスが非常に高いのが注目出来るポイントです。
より経済的で持続可能な運用をするためにも、まだGHPエアコンをお使いの方は、本コラムを参考に是非EHPエアコンへの早めの変更をご検討してみてくださいね。