保守点検ってなあに?万が一のトラブルに備えた対応のポイントを抑えよう!

機器や設備に不備や故障はつきものです。特に長期間に渡り使用していれば、何かしらの問題が起きてしまうのは当然といっても過言ではありません。そこで重要になるのが、メンテナンス。このメンテナンス業務には、保守点検や設備保全、修理などが主に含まれます。今回はその中で、どのオフィスでも使用されている業務用エアコンの保守点検について、修理や設備保全との違い、更にはそのメリットなどを詳しくご紹介させていただきます。是非一度、目を通してみてくださいね。

保守点検って?

保守点検とはメンテナンス業務の一つで、機器や設備に不備や故障がないかをいち早く発見するための点検作業です。点検を行う機器や設備に応じて点検内容や基準は異なりますが、業務用エアコンでいうと、通常「送風系統部品」「冷媒系統部品」「ドレン系統部品」「電子・電気部品」に分けて点検を行います。

「設備保全」「修理」「メンテナンス」との違いは?

メンテナンス業務において、メンテナンスと保守点検はほぼ同じ意味合いになります。一方、修理や設備保全は、近い言葉ではあるものの、保守点検とはその目的が異なります。前述したように、保守点検は機器や設備に不備や故障がないかをいち早く発見するための作業に対し、設備保全は機器や設備が不備や故障がなく長期間安全に使える状態にするために計画的に行う作業を指しています。そして修理は、実際に故障が見つかった際に元の状態に戻すための作業です。保守点検は基本的に、故障の迅速な対応や早期発見を主な目的としていますが、設備保全は不備や故障の回避・予防を目的としています。これが保守点検と設備保全との決定的な違いと言えるでしょう。

保守点検の重要性は?

業務用エアコンはビルの中に居る人達にとって快適性の確保に欠かせない設備であるため、ビルメンテナンスにおいての保守点検は非常に重要と言えます。例えば、夏場や冬場に不備や故障で業務用エアコンの運転が止まってしまえば、オフィスにおいての業務に大きく影響が出るでしょう。また、店舗などに至っては、利用客が来店を控えることになるかもしれません。店舗でもオフィスでも、故障やトラブルが長引けば長引くほど、利益は大きく損なわれてしまいます。これを避けるためにも、保守点検を行い、故障やトラブルで業務用エアコンが止まってしまう期間を一時間でも一日でも短くすることが大切なのです。

目的とメリットは?

ここまでは、保守点検について、その意味や似た言葉との違いなどを挙げながら詳しくご説明させていただいてきましたが。ではここで改めて、保守点検を行う目的を確認した上で、それを実施することで得られるメリットについてここではご紹介させていただきたいと思います。こちらもまた重要な部分ですので、是非しっかり、目を通してみてくださいね。

目的は?

保守点検を行う最大の目的は、機器や設備に生じた故障のいち早い発見です。故障によって業務用エアコンが止まってしまえば、ビル内の快適性は一気に失われてしまいます。特に多くのテナントが入ったビルでは、故障が長期化することで広範囲に影響が及んでしまいます。また、故障の前兆に気付くことも保守点検の重要な目的と言えます。定期的に保守点検を行うことにより、業務用エアコンの異臭や異音に気付き、故障を未然に防げるケースも少なくありません。故障の前兆や故障の早期発見により、事故に繋がるリスクを減らし、ビル内に居る人達の安全性を確保することも保守点検の目的の一つと言えるでしょう。

メリットは?

保守点検を実施することにより、様々なメリットがあります。業務用エアコンの保守点検によって得られる主なメリットは大きく分けて4点ほどありますので、一つずつご説明させていただきます。

まず一つ目が、業務用エアコンの耐用年数が長くなるということ。適切な保守点検により、故障を未然に防ぐ、もしくは迅速に修理が行えるようになります。その結果、業務用エアコンの耐用年数を延ばせる可能性が高まります。結果、長期的に見て業務用エアコンの買い替えコスト削減にも繋がっていくのです。

二つ目が、業務用エアコンへの法令点検への対応が可能になるということ。フロン類を冷媒に使用している業務用エアコンは、3ヶ月に1回以上の簡易点検と、圧縮機定格出力の大きさに応じて1年または3年に1回以上の定期点検がフロン排出抑制法により義務付けられています。定期的に保守点検を行うことで、義務の遂行を果たすことも可能になるのです。

三つ目が、ビルメンテナンス担当者の業務効率化が進むということ。業務用エアコンも含め、ビル内の機器や設備は、故障箇所によっては修理に相応の期間を要するケースも少なくありません。故障が長期化すれば、ビルメンテナンス管理者にかかる負担も大きくなります。そこで保守点検を適切に行うことで故障を未然に防げれば、ビルメンテナンス管理者の業務負担を軽減させることが出来ます。また、故障が起きた際も軽微な問題で解決する可能性が高まります。迅速な問題解決が可能になれば、メンテナンス業務の効率化も進むこと間違いなしでしょう。

最後は、ビル内の衛生管理にかかるコストや手間が軽減するということ。保守点検は、ビル内の衛生管理にかかるコストや手間の軽減に繋がります。業務用エアコンに不具合が生じると、場合によっては水漏れや異臭といったトラブルが起きる可能性も。水漏れや異臭は衛生管理面で非常に重要な問題であり、ビル内に居る人の快適性も奪ってしまいます。しかし、適切に保守点検を行えば、不具合が起きるリスクが軽減され、ビル内の衛生管理にかかるコストや手間の軽減、更にはビル内の快適性を維持することが実現可能になるのです。

まとめ

今回は、保守点検について詳しくご説明させていただきました。現在、ビルのメンテナンス業務は人材不足が慢性化しつつあり、これまで以上に業務の効率化が必須となってきています。保守点検の徹底は、故障を未然に防ぐだけでなく、迅速な対応も可能にするといったことから、非常に理にかなった効率化へと繋げられることが分かります。ただし、少子高齢化が進み人材不足が深刻化する現在の状況が続いていってしまえば、従来の方法での保守点検だけでは対応出来なくなる可能性も十分に考えられます。

そこで現在、その対策法として様々な企業にて保守点検のデジタル化が進んでいます。IoTやAIの活用により、遠くからでも設備や機器の状況を監視したり、不備や故障を素早く検知したりすることが可能になってきています。また、過去のデータを高度に分析し、機器の不備を予知し、最適な点検時期を予測する技術も。従来の方法と近未来の方法を合わせることで、より安全に快適にと進化し続ける可能性に、今後も注目していきたいですね。