エアコンにカビ発生!?その原因と予防策について深く学ぼう!

快適な室温を保つのに欠かせない業務用エアコンに関して、意外と見落とされがちなのがカビの問題。特に高湿度の夏やジメジメした梅雨は、内部でカビが繁殖しやすい時期とも言えます。業務用エアコンにカビが発生していると気づいた際、「じゃあそもそもカビの予防は出来るのか?」といった対策法への疑問や「掃除するにはどうしたらいいんだろう?」といった疑問などを持つ方もきっといらっしゃると思います。そこで今回は、業務用エアコンにカビが発生する原因について深掘りしていく他に、その予防策、更にはクリーニング方法について詳しくご紹介させていただきます。是非最後まで、目を通してみてくださいね。

業務用エアコンにカビが発生するとどうなるの?

健康被害が起きてしまう

カビは約7万種以上あると言われていますが、住宅やオフィスなどの建造物で発生するカビはそのうちの約60種類で、量や種類によっては発がん性物質になってしまったり、感染症やアレルギーを引き起こすことも。業務用エアコン内部にカビが発生してしまうと、そのカビは吹き出す風に乗って室内に放出されてしまう可能性があるため、それを吸い込んでしまうと健康上の問題を引き起こす場合にも繋がるので注意が必要です。

特に、業務用エアコンの運転中や季節的に使用頻度が増えたとき。以下のような症状が現れ始めた場合は、カビが原因になっている可能性が高いため、注意が必要かもしれません。

ただでさえ季節の変わり目や寒暖差で体調を崩しやすい梅雨の時期。正しくメンテナンスを行い、清潔な状態を保っておくことこそが非常に重要なポイントと言えるでしょう。

ニオイによる苦情が発生しやすくなってしまう

カビのニオイはアンモニアなどの臭気物質に比べ、10,000倍薄い濃度でも人間の鼻でハッキリと感じられる程の不快な臭気物質が含まれているということをご存知でしたでしょうか。これは人間の危険予知能力によるものであり、それだけカビは人間にとって危険であると遺伝子学的に組み込まれているということです。人間の嗅覚が「不快」~「危険」と認知するため、カビのニオイはオフィス内でのニオイ苦情で多発する項目であり、また一度苦情が発生すると解決が難しいことが多いです。目視出来る部分に発生したカビの対策だけではなく、どこでカビが発生しているのかを特定し、根本から解決していくことこそが重要だと言えます。

そもそもカビはどうやって発生するの?

業務用エアコンにカビが発生する主な原因は、カビの成長に必要な「温度・汚れやホコリ・水分」という状態が整っていることにあります。また、業務用エアコンが設置されている環境も影響している場合もあります。カビの発生しやすい環境については、下記にて表でまとめさせていただきましたので、こちらをご覧ください。

続いて先程上記にて挙げさせていただいた3つの条件について、詳しくご説明させていただきます。

温度

建物内部の平均温度は、年間を通して約10℃~30℃の範囲だと言われています。一方、カビの発生に適した温度はおよそ5℃~35℃前後だと言われます。そのため、室内の温度というのは「カビが生育するのに適した温度」だということが考えられます。それに加え汚れなどといったいわゆるカビにとっての栄養分水分など、カビの成長に必要な他の2つの条件が揃ってしまうと室内にカビが発生してしまうのです。

汚れやホコリ

カビは、食べカス・ホコリ・繊維・人の皮脂など多様な物質を栄養源としています。業務用エアコンは通常、手が届きにくい場所に設置されており、一般的には掃除の頻度が低い電気機器です。そのため、業務用エアコン内にはホコリが溜まりやすく、カビが発生しやすい条件が知らない間に整ってしまうことがあります。

水分

一般的にカビは、湿度が80%以上の環境で発生しやすいとされています。通常の建物の平均湿度が30%~80%であることを考えると、通常の条件下ではカビが発生することは少ないと言えるでしょう。しかしながら、業務用エアコン本体に結露が生じてしまった場合、その水分がカビの栄養源となってしまい、結果的にカビが発生してしまう要因へと繋がってしまう場合もあります。

業務用エアコン本体には様々なパーツがありますが、特にカビが発生しやすいと言われているのは「送風ファン」「ドレンパン」「吹き出し口」の3箇所です。なかでも内部パーツは洗浄が難しいため、通常は業者に掃除を依頼する必要があります。一方で、「パネル」「風向きルーバー」「フィルター」「吹き出し口」といった部分はご自身で清掃出来るパーツでもあります。後ほど詳しく清掃方法についてもご説明させていただきますので、そちらを参考にトライしてみましょう。また、特に業務用エアコンに多く採用されている天井カセット型エアコン(天カセ型)は、ドレンパン(化粧パネル)や内部でカビが発生しやすいという特徴があります。見えない部分にカビが発生していることも考えると、やはり日頃から定期的に気にかけてあげることが大切ですね。

カビの清掃方法について

清掃を行う際、内部パーツを掃除するための洗浄スプレーなどが市販されていますが、エアコンは電機機器であるため内部の洗浄には高度な専門技術が必要です。従って、市販の洗浄スプレーの使用は控えるようにしましょう。実際に各メーカーから、洗浄スプレーの使用に関する注意喚起が出されているのも事実です。よってここでは、ご自身で安全に行えるエアコンパーツの清掃方法について詳しく解説させていただきます。それぞれ家庭用エアコンと業務用エアコンに分けてご説明させていただきますので、是非ご参考にしてみてくださいね。

家庭用エアコンの場合

家庭用エアコンの場合、使用しているエアコンの機種によって清掃方法が異なってきます。まずは取扱説明書をしっかりと確認してから、清掃を行うようにしましょう。今回では、一般的な清掃の流れをご紹介させていただきます。

  1. 事前準備を行うこと。
  2. 汚れを取ること。
  3. 床などを掃除すること。

それぞれ各工程の段取りについて、順番に詳しく確認していきましょう。

まず1つ目である「事前準備を行うこと」という部分です。こちらはエアコンのカビ取りを始める前に、以下のような準備を行うことを指し示しています。

なお、掃除中にカビが空中に浮遊することがありますので、吸い込まないようマスクの着用は必ずするようにしてくださいね。

その準備が終われば、次の「汚れを取ること」の部分です。エアコンの汚れを取る際には、以下のような手順で進めていきましょう。

それが全て終われば、最後の「床などを掃除すること」の部分に移ります。清掃の最中やエアコンのフィルターを取り外す際は、ホコリやカビが空気中に舞い上がる可能性があります。空気中に舞ったホコリやカビはエアコンを使用する時に本体に吸い込まれ、再びカビが付着する原因となることがあるため注意が必要です。また、鼻や口から吸い込むリスクもあるため、エアコン周辺だけでなく、室内全体の家具や床などもきちんと清掃しておくと非常に安心です。その結果、エアコンを使用したときにも、より清潔な環境を保つことが出来るでしょう。

業務用エアコンの場合

業務用エアコンの場合でも、エアフィルターの清掃は必要です。機種によっては昇降グリルが設けられているため、お手入れがしやすくなっています。基本的な流れと致しましては、家庭用エアコンのフィルター清掃とあまり変わりませんが、業務用エアコンならではの清掃のポイントについてここでは詳しく解説させていただきます。

業務用エアコンは時期によってお手入れの際に気を付けるポイントが異なってくるのですが、初めにシーズン時以外でのお手入れの際に気を付けるポイントについてご紹介させていただきます。まずエアフィルターに付着したホコリは、水洗いをするか、掃除機を使用して対応するようにしましょう。洗った後は、風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させてから本体に取り付けるようにします。室内のユニット部分について特に汚れがひどい箇所は、布をぬるま湯か水に浸し、よく絞ってから拭きましょう。その後、乾いた布で再度拭き上げるようにします。

次に、シーズン時での方法についてです。夏や冬のように業務用エアコンを頻繁に使用する時期は、シーズンの始まりと終わりにお手入れをすることが重要です。それぞれのお手入れの流れについては、下記表にてまとめさせていただきましたので、ご参考にしてみてください。

なお、業務用エアコンを使い始めるときに送風運転を行うのは、ユニット内部を乾燥させるためです。

カビを発生させないための予防法は?解決策は?

最後に、業務用エアコンにカビを発生させないための予防法及び解決策について、ここでは大きく4つに分けてご紹介させていただきます。是非一度目を通してみてくださいね。

内部クリーン運転や送風運転を行う

内部クリーン運転や送風運転を活用することで、業務用エアコン内部を効果的に乾燥させることが出来ます。特に梅雨から夏季の時期にかけての冷房運転では、室内の湿気が業務用エアコンに吸い込まれ、内部で結露が発生しやすくなります。水分はカビの発生原因となるため、業務用エアコン使用後は内部クリーン運転や送風運転を行って、内部を30分~1時間程乾燥させるようにしましょう。

定期的に掃除を行う

カビの発生は汚れが原因の一つですが、汚れがなければカビは発生しません。上記に紹介した自分で掃除出来るパーツを定期的にお手入れすることで、業務用エアコン内部パーツのカビの発生も抑えることが出来ます。季節や使用頻度によって異なるため一概には言えませんが、最低でも月1回は掃除を行うようにしましょう。特に夏や冬といった業務用エアコンを使う頻度が多くなる時期は、ホコリによってカビ菌が溜まりやすいため、こまめにお手入れをするのがオススメです。

定期的に室内を換気する

業務用エアコンは室内の空気を吸い込んで、暖かい風や冷たい風として出しています。そのため、室内の空気中に含まれる汚れを外に排出させる換気を行うことで、カビの繁殖を効果的に防ぐことが出来ます。また、換気によって室内の湿気を取り除くことが出来るため、結露の発生も抑制でき、カビ予防にも効果的です。

除菌機能付きや自動洗浄機能付きのエアコンに変える

最近では、自動で掃除を行う機能を搭載した業務用エアコンが発売されています。除菌機能を備えた業務用エアコンであれば、カビの成長を抑制することが可能です。また、自動洗浄を行うパーツはフィルターのみの機器が多いものの、フィルターが常に清潔な状態に保たれていることで、業務用エアコン本体内部のカビの繁殖や発生を効果的に抑制することが出来ます。

まとめ

今回はカビについてスポットライトを当て、詳しくご紹介させていただきました。業務用エアコンのカビは水分と温度、ホコリなどの汚れによって発生します。特に冷却フィンやフィルターなど、汚れが溜まりやすい部分はカビの発生源になることがあります。清掃の際は、室内ユニットの拭き掃除やフィルターの水洗い、送風運転による乾燥などが効果的です。また、定期的に換気を行い、室内の湿気をコントロールすることも大切です。各メーカーからは、カビ抑制効果が見込める自動洗浄機能が付いた業務用エアコンも発売されています。もちろんアルファシステムでも業務用エアコンの分解洗浄をお受けしておりますのでお気軽にご相談ください。

業務用エアコンのカビが気になったときは、お手入れ頻度を見直すとともに、状況次第では業務用エアコン本体の交換を検討してみてはいかがでしょう。また、その際には是非、アルファシステムまでお気軽にお問い合わせくださいね。