シーズンオフ中の秋に!業務用エアコンのお手入れをしておこう。

まだまだ暑さの残る季節ではありますが、本格的な夏の厳しい暑さは少しずつ和らいできましたね。もう少し涼しくなってくると、エアコンにとっては、暖房を使う寒い季節が来る前の、つかの間のオフシーズン。そんな秋は、業務用エアコンのお手入れのオススメのシーズンでもあります。そこで今回は、何故秋がオススメだと言われているのか。また、過去コラムでも何度かご紹介させていただいてきましたが、ここで改めて、ご自身で出来る掃除の方法についてなど、秋の季節と業務用エアコンとの過ごし方について詳しくご説明させていただきます。是非最後まで、目を通してみてくださいね。

何故秋のお手入れがオススメなの?

カビの繁殖には、3つの条件が必要であると言われています。それは、カビにとって適切な温度(20~30℃)適切な湿度(80%以上)、そしてたっぷりの栄養(汚れやホコリ)です。恐ろしいことに、秋を迎えた業務用エアコンにはこの3つの条件がぴったりと当てはまる、まさにカビにとっては温床といえる場所になってしまっているのです。

夏場、冷房運転をすると、室内の温かい空気が業務用エアコン内で冷やされます。急激に冷やされた空気中の水分は、凝縮されて水滴に変わり業務用エアコン内部の湿度を高めます。また、秋になると室温が20~30℃台に落ち着くため、冷房運転は頻繁には使わなくなりますよね。そうすると、もちろん業務用エアコン内部も同等の温度になります。このようにして、カビが好むじめっとした湿度と、カビにとって心地良い温度が出来上がってしまうのです。また、6月末~9月末にかけてフル稼働した業務用エアコンは空気と一緒に大量のホコリも吸っています。夏の間は常に運転させていらっしゃる方が多いと思いますので、全くお手入れが出来ていないという方も多いのではないでしょうか。3か月分の汚れとホコリを溜めこんだフィルターは、カビにとってごちそうでしかありません。こうして整った3つの条件によって、秋、業務用エアコン内部でぞくぞくとカビが繁殖してしまうのです。冬を迎える前にしっかりとお手入れを行うことで、カビの発生を防いでいきましょう。

やってみよう!簡単なお手入れの方法

ここでは、ご自身で出来る業務用エアコンの簡単なお手入れの方法をご紹介させていただきます。ですが、あくまで下記は一例にしか過ぎません。実際は、使用している業務用エアコンの取扱説明書の内容に沿ってお手入れを行うことをオススメ致します。

内部を乾燥させる

まず初めに、湿度対策です。業務用エアコン内部の湿度を下げましょう。晴れた日には半日ほど送風運転をして、業務用エアコン内部をよく乾燥させます。湿度を下げることで、カビの発生条件を減らすことが出来ます。カビが繫殖しやすい気温はすなわち人間が過ごしやすい気温なので、室温はなかなか変えることは出来ませんが、湿度を下げることで一定の効果が期待出来ます。

電源ブレーカーを落とす

内部を乾燥させたら、次は電源ブレーカーを落としましょう。業務用エアコンを使用しない季節でも、電源ブレーカーが入っているだけで待機電力が消費されます。具体的には、数ワットから数十ワットの電力が無駄に使われていることが多いでしょう。無駄な待機電力を節約するためにも、使用しない時期には電源ブレーカーを遮断することがオススメです。ただし、業務用エアコンを使用する季節になった場合には、使用する6時間前にはブレーカーを必ず上げておきましょう。ブレーカーを上げてすぐに業務用エアコンを運転すると、故障の原因へと繋がります。

フィルターと外装の掃除をする

最後に、フィルターと外装の掃除を行います。説明書の手順に従って、フィルターを取り外しましょう。ホコリを掃除機で吸って、全体を水洗いしたのち、日陰でしっかりと乾かします。ここで生乾きのままだとカビの繁殖の原因になりますので、ご注意ください。乾いたフィルターは元の位置に戻して、業務用エアコン本体に固定しましょう。

以上が、ご自身で出来る簡単な業務用エアコンのお手入れの方法です。これだけでもかなりのカビ予防の効果が期待出来ますので、是非お試しくださいね!

取れない汚れはプロに相談!

もっと綺麗にしたい!という方は、業務用エアコン内部のクリーニングがオススメです。室温を調整する熱交換器や、結露した水を受け止めるドレンパンは、数シーズン使用するとどうしても汚れてしまいます。すると、汚れによって性能が落ちて電気代が増えたり、水漏れが起きる恐れがあります。業務用エアコン内部の清掃は専門技術が必要であり、無理に行ってしまうと不調や故障の原因となってしまいます。フィルター以外の清掃は、専門の業者にご相談ください。

次シーズンに備えて、入れ替えの検討も。

10年以上使用していて、どうしてもカビ臭さが取れなかったり。また、夏の間そもそも業務用エアコンが不調だったという場合には、この秋の間に業務用エアコンを入れ替えてしまうのも一つの手です。例年、春から夏にかけては「風がカビ臭くて我慢出来ない」「業務用エアコンを試運転していたら故障していた」という理由で入れ替えを検討される方が多く見られるのも事実。シーズン中の依頼ですと、工事自体を何日も待ったりしなければならなくなる可能性も。秋シーズンのお手入れで今後も使用出来るかどうか不安に思われた場合は、ゆっくりと入れ替えを検討出来るとても大切な期間とも言えます。

秋に業務用エアコンを使用する大切なポイント

最後に、秋にも業務用エアコンを使用する際、抑えておきたいポイントについて詳しく解説させていただきます。是非しっかりと、目を通してみてくださいね。

設定温度

秋に業務用エアコンを使用する際の設定温度は、外気温との差を5℃以内に抑えるのが理想的とされています。気温の変動が大きい秋には、業務用エアコンを28℃に設定し、外との温度差を出来るだけ小さく保ちましょう。適切な温度設定はエネルギー効率の向上にも効果的です。また、28℃の設定温度が少し暑く感じる場合は、除湿機能を活用して調整しましょう。設定温度を下げるのではなく、除湿機能を使うことで、快適な室内環境を維持しながら身体への負担も軽減出来ます。

風向き

適切な風向きの設定も、秋に業務用エアコンを使用する際のポイントです。夏には風向きを下向きに設定することもありますが、秋には水平に設定し、人に直接風が当たらないようにしましょう。気温が変わりやすい秋は、人によって体感温度が異なるため、温度調節が難しくなります。風向きを調整することで、すべての人にとって快適な空調環境を提供出来るようにしましょう。業務用エアコンの風を直接当たらないようにすることは、顧客や従業員の体調不良のリスクを減らすことにも繋がります。

まとめ

今回は、秋の業務用エアコンのお手入れに関することについて詳しくご紹介させていただきました。秋にお手入れを行うことは、冬の電気代を抑えるためにも効果的と言われています。というのも、業務用エアコンの内部やフィルターにカビやホコリが蓄積すると暖房効率が低下し、室内を暖めるのに時間がかかり、消費電力が増えて電気代が高くなります。よって、使用頻度が少ない秋の内にお手入れを行い、業務用エアコンの内部を清潔に保つことで暖房運転を効率的に行うことができ、冬の電気代の節約にも繋がると考えられるのです。また、業務用エアコン内部の清掃をしっかりと行うことで長期間に渡って快適な使用が可能となり、業務用エアコンの買い替えや修理の頻度が減るため、総合的なコスト削減にも繋がっていきます。

今回のコラムを参考に、秋の間に業務用エアコンのお手入れや、場合によっては買い替えを済ませ、来る冬に備えておきましょう!